LEDビジョン、かっこいいですよね。
映像がキラキラと動いて、見る人の目を引きつけて離さない。お店に設置すれば、それだけで空間がワンランク上がる。そんな印象を持たれる方も多いと思います。

実は、その「ビジョン(vision)」が点灯するまでには、ちょっとした確認作業が必要だったりします。特に、電気容量設置する場所の環境については、意外と見落とされがちです。

「ちゃんと点くのか?」「重さは大丈夫か?」
こうした疑問を後回しにしてしまうと、設置当日にトラブルになる…なんてこともあるんです。

なんで“電気”と“場所”がそんなに大事なの?

LEDビジョンって、見た目の割にかなりパワーを使うんです。
サイズにもよりますが、一般的なクラブや飲食店に導入されるような横2〜3m、縦2mほどのものでも800W〜1,000W程度の消費電力になることがあります。

これって、普通の電子レンジやエアコンと同じか、場合によってはそれ以上。
つまり、「コンセントがあればOK」ではなく、「その場所に、ビジョン用の電気を流せる余裕があるか?」という視点がとても大切なんですね。

チェックしたほうがいい、設置前のポイント

箇条書きでまとめてしまうと簡単に見えるかもしれませんが、ひとつずつ丁寧に見ていくと、意外と奥が深いものです。

電気容量の話

  • 現在の契約アンペア数は?
     → 小規模の店舗だと、そもそも全体の容量が少なくて、ビジョン用のブレーカーを増やせないことも。
  • 専用回路を確保できるか?
     → エアコン、冷蔵庫、音響設備…他の機材と同じ回路に繋ぐのはおすすめしません。
  • 分電盤に空きがあるか?
     → 増設したくても、空きがなければ電気工事が必要になるケースもあります。

ちなみに、3m×2m程度のLEDビジョンであれば、15Aくらいの回路を専用に確保するのが理想です。
余裕をもたせておくと、夏場の同時使用時でも安心できます。

設置環境の話

これも重要。というか、ここを見誤ると設置できません

  • 壁が強いか?
     → 石膏ボードのみの壁だと、取り付け金具ごと落ちる恐れがあります。
     鉄骨やコンクリート、ALCといった構造材があるか、要チェックです。
  • 周囲が暑すぎないか?湿気が多すぎないか?
     → 厨房の近くなど、高温多湿なエリアは避けるか、防塵・放熱設計のモデルを選びましょう。
  • 屋外なら、防水性能(IP等級)は?
     → 最低でもIP65以上の製品でなければ、長期運用に不安が残ります。
  • 視認距離は?
     → 近距離なら高精細モデル(P2.5やP1.9)を選ぶ必要があります。

設置方法も、意外と盲点

「壁につければいいんでしょ?」と思っていても、
実際は「壁掛け」「天吊り」「自立設置」といった方式があり、それぞれに制約があります。

また、ビジョンの重さにも注意。
2m以上のサイズになると、100kgを超えることもあります。
しっかりと構造計算をしたうえで、補強が必要になる場合も少なくありません。

よくあるトラブルから学ぶ

  • 設置後に電源が足りないことに気づく
     → 専用ブレーカーの準備がされていなかった
  • 本体が熱くなって映像が乱れる
     → 通気が悪い場所だった/排熱設計を考慮していなかった
  • 設置工事が途中で止まる
     → 壁の強度が足りず、補強工事が追加で必要になった

どれも、事前に調べておけば回避できるトラブルです。

現地調査で「安心」は作れる

ONE LICHTでは、導入前に必ず現地調査を行っています。
ただ見るだけでなく、「ここに本当に設置できるのか」「どのモデルが最適か」をその場で判断できる技術スタッフが伺います。

実際の照明の明るさや、音響とのバランスまで含めて相談できるので、“とりあえず設置した”ではなく、“狙って仕掛けた演出”が可能になります。

まとめ:LEDビジョンは、準備が9割

「LEDビジョンを導入する」
この言葉の裏には、「配線」「構造」「空間演出」「コンテンツ制作」といったたくさんの要素が隠れています。

何も考えずに設置してしまうと、せっかくの投資が台無しになってしまうことも。

だからこそ、準備と現地調査がすべての始まりです。