私はイベント運営を15年間担当してきましたが、ここ5年ほどでLEDビジョンの導入案件が急激に増えています。最初は「またお金のかかる設備か...」と思っていましたが、実際に使ってみると効果が想像以上でした。

インパクトが桁違いです

去年の秋、大阪城ホールで開催した音楽イベントでの経験をお話しします。バックにP2.5のLEDビジョンを設置したところ、アーティストが登場した瞬間の盛り上がりが今までと全然違いました。

普通のプロジェクターだと光量不足で映像がぼやけがちですが、LEDだと会場の照明に負けません。観客の反応を見ていても、明らかに集中度が違います。アンケートでも「映像演出が印象的」という回答が8割を超えました。

ただし、設置には注意が必要です。重量があるため構造計算をちゃんとやらないと危険です。去年、他社の案件で吊り下げ金具の不備で事故寸前になった話を聞きました。

情報伝達がスムーズになります

これは予想外の効果でした。

従来は司会者がマイクで「次は〇〇のコーナーです」と案内していましたが、LEDビジョンがあると視覚的に情報が入ります。特に外国人観客が多いイベントでは重宝します。

先月のインテックス大阪での展示会では、製品説明動画をループ再生したところ、ブースの滞在時間が平均3分から5分に延びました。営業担当からは「商談につながりやすくなった」という報告を受けています。

緊急時の避難誘導でも活躍しました。昨年の台風警報発令時、音声案内だけだと聞き取れない人が多かったのですが、LEDビジョンに避難経路を表示したら混乱なく誘導できました。

SNS拡散効果は想像以上です

これが一番驚いた効果かもしれません。

天王寺公園のイルミネーション点灯式で、カウントダウン映像をLEDビジョンに流したところ、来場者が勝手に動画撮影してInstagramやTikTokに投稿してくれました。#天王寺イルミネーションのハッシュタグで約2000件の投稿がありました。

これを広告費に換算したら相当な金額になります。翌年の来場者数も3割増加しました。主催者の市役所担当者も「予想以上の効果」と喜んでいました。

ただ、撮影されることを前提に映像コンテンツを作る必要があります。権利関係の確認も必須です。音楽の著作権や映像の二次利用など、意外と複雑です。

実際の現場から学んだこと

失敗談もあります

梅田のビルで開催した企業イベントで、LEDビジョンの輝度調整を間違えて観客から「眩しすぎる」というクレームが来ました。屋外用の設定のままだったのが原因でした。

コスト面について

レンタル費用は1日あたり30万円からです。これに設営・撤去費、オペレーター人件費が加わります。小規模イベントだと予算オーバーになりがちです。

技術的な問題もあります

信号の遅延が発生することがあります。音響とのシンクロを重視するイベントでは、事前テストが必須です。

導入を検討する際のポイント

予算と効果のバランスを見極めることが重要です。

来場者数1000人以下の小規模イベントなら、プロジェクターで十分な場合が多いです。逆に3000人以上の大規模イベントなら、LEDビジョンの導入効果は確実に出ます。

設置場所も重要です。観客の視線が自然に向く位置に配置しないと効果は半減します。

最後に、コンテンツ制作にも予算を確保することをお勧めします。せっかく高価な機材を導入しても、映像が素人っぽいと台無しになります。

これほど効果的な演出機材は初めてです。ただし、使い方を間違えると逆効果になる諸刃の剣でもあります。導入をご検討の際は、ぜひ専門家にご相談ください。