「あの看板、雨の日も普通に映ってるけど大丈夫なの?」 「真夏の直射日光でも壊れないの?」
駅前や繁華街で目にする大型LEDビジョン。実は私も最初はそう思いました。
昨年、ある商業施設のオーナーさんからLEDビジョンの相談を受けたとき、一番心配されていたのが「耐久性」と「防水性能」でした。結局、しっかり対策された製品を選んだおかげで、台風シーズンも問題なく乗り切ることができました。
この記事では、10年以上LEDビジョンの設置に携わってきた経験から、屋外用LEDビジョンの耐久性・防水性能について、本当に知っておくべきポイントをお伝えします。
屋外用LEDビジョンって、そもそも何が違うの?
まず知っておいてほしいのは、LEDビジョンには「屋内用」と「屋外用」の2種類があるということ。見た目は似ていても、中身の設計は全然違います。
屋外用LEDビジョンは、こんな過酷な環境に耐えられるよう特別に作られています:
- 夏の直射日光による高温(表面温度は60℃以上になることも)
- 冬の厳しい寒さ(氷点下でも正常動作する必要あり)
- 突然の豪雨やゲリラ豪雨
- 塵やほこり、時には虫の侵入
- 年間を通じての温度差(真夏と真冬で50℃以上の温度差も)
大阪・道頓堀の某飲食店では、5年前に設置したLEDビジョンが今でも鮮やかに映像を映し出していました。オーナーさんいわく「台風が直撃したときもビクともしなかった」とのこと。適切な製品選びの重要性を実感した瞬間でした。
防水性能の見極め方―IP等級を理解しよう
「この製品、本当に防水なの?」
そんな疑問に答えてくれるのが「IP等級」という国際規格です。これは防塵・防水性能を数字で表したもので、屋外用LEDビジョンを選ぶときの最重要チェックポイントです。
例えば「IP65」と表示されている場合:
- 最初の数字「6」→防塵性能(6が最高)完全な防塵
- 次の数字「5」→防水性能(8が最高)あらゆる方向からの噴流水に対して保護
先週、某メーカーのショールームで実演を見せてもらいましたが、IP65のLEDパネルに実際にホースで水をかけても、まったく問題なく動作していました。正直、目の当たりにするとその防水性能の高さに驚きます。
実際の設置現場で重宝されるのは、以下のようなIP等級です:
設置環境 | 推奨IP等級 | 特徴 |
一般的な屋外 | IP65以上 | ほとんどの雨風に対応可能 |
海沿いや水しぶきがかかる場所 | IP66以上 | 強い水流にも耐える |
一時的な水没の恐れがある場所 | IP67~IP68 | 一定時間の水没にも耐える特殊仕様 |
「うちの店の前は道路からの水はねが気になるんだけど…」という相談をよく受けますが、そういった場所こそIP等級の高い製品を選ぶべきです。私たちが提案する屋外用LEDビジョンは、基本的にIP65以上を厳選しています。
長持ちの秘訣―屋外LEDビジョンの耐久性を支える技術
「結局、どれくらい持つものなの?」
これは本当によく聞かれる質問です。結論から言うと、品質の良い屋外用LEDビジョンは、適切なメンテナンスを行えば10年以上使えることも珍しくありません。
先日、設置から8年経過した某スポーツ施設のLEDビジョンを点検しましたが、まだまだ現役で活躍していました。この長寿命を支えているのは、以下のような技術です:
1. 優れた放熱設計
LEDの大敵は「熱」です。外気温35℃の日には、密閉された機器内部は60℃以上になることも。だから優れた製品は:
- アルミダイキャスト製のフレーム(熱伝導率が高い)
- 計算された通気口の配置
- 場合によっては冷却ファン内蔵
などの工夫がなされています。
2. 防水・防塵構造
単に「シールしました」ではなく:
- 特殊防水コネクタの採用
- シリコン・ゴムなどによる二重三重のシーリング
- 結露対策(内部結露が故障の原因になることも)
- 圧力調整バルブ(気圧差による空気の出入りを制御)
こういった細部への配慮が長寿命につながります。
3. 過酷環境対応の電気部品
- 産業用グレードの電子部品採用
- 雷サージ対策(落雷による過電圧から守る)
- 電源ユニットの防水対策(電源こそ水に弱い)
こうした話をすると「難しそう…」と感じる方も多いですが、実は製品選びの段階で信頼できるメーカーや施工業者を選ぶことが、これらすべてを解決する近道なんです。
導入前の必須チェックリスト―失敗しないための3つのポイント
10年間で100件以上のLEDビジョン設置に関わってきた経験から、特に重要だと感じる3つのポイントをご紹介します。
①設置環境をしっかり分析する
「うちの場所は特別かも?」と思ったら、それは正解です。同じ「屋外」でも:
- 海沿いは塩害対策が必須
- 北国は積雪・凍結対策
- 交差点近くは排気ガスや振動対策
- 南向きは直射日光対策
先日、大阪湾に面したレストランからの相談では、潮風対策として通常より高いIP等級と特殊コーティングを施した製品を提案しました。
②メンテナンス性を確認する
どんなに優れた防水・耐久性があっても、定期点検やメンテナンスは必要です。そのとき重要なのが:
- フロントメンテナンス可能か(前面からパネル交換できるか)
- モジュール単位での交換が可能か
- 必要な点検スペースは確保できるか
「設置したら終わり」ではなく、「設置後のことまで考える」ことが大切です。
③電源と排熱対策は万全か
意外と見落とされがちなのが:
- 電源ユニットも同等のIP等級を持っているか
- 放熱のための十分なスペースはあるか
- 制御機器の設置場所は適切か(高温多湿を避けられるか)
特に電源周りは、LEDパネル自体より先に故障することが多いので要注意です。
実際の導入事例―大阪・道頓堀エリアでの成功例
話だけでは伝わりにくいので、最近手がけた事例をご紹介します。
大阪・道頓堀エリアの人気飲食店での導入事例です:
導入内容
- 屋外LEDビジョン P6.0(6mm間隔の中精細タイプ)
- サイズ:横3m×縦2m
- IP65防水仕様
- アルミ防水キャビネット採用
- 設置場所:ビル3階外壁面
オーナーさんの声 「最初は雨の日や台風が来たときに不安でした。でも、この1年間、猛暑日も大雨の日も問題なく映像を流し続けてくれています。おかげで店の視認性が格段に上がって、初めてのお客さんが増えました。思い切って導入して本当に良かったです」
驚いたのは、オーナーさん自身が「雨の日こそビジョンの価値がある」と言われたこと。確かに、紙の看板や布製の旗は雨で見栄えが悪くなりますが、LEDビジョンなら雨でも鮮やかに光り続けます。
まとめ―防水・耐久性で選ぶべき理由
屋外用LEDビジョンは決して安い買い物ではありません。だからこそ、見た目の美しさだけでなく、耐久性・防水性を重視した選択が重要です。
- 信頼できる防水性能(IP65以上)があるか
- 長期使用に耐える設計・材質か
- 設置環境に合った仕様選定がされているか
- アフターメンテナンスは充実しているか
これらをしっかり確認すれば、「雨が降ったら心配で見に行かないと…」なんて心配とは無縁の、安心して使えるLEDビジョンに出会えるはずです。
私が現場で見てきた限り、最初の選定で妥協すると、結局後でトラブルに見舞われ、余計なコストがかかってしまうケースが多いです。最初から信頼性の高い製品を選ぶことが、長い目で見たコスト削減につながります。
ONE LICHTの屋外用LEDビジョンサービス
株式会社ONE LICHT(ワンリヒト)では、お客様の設置環境に最適な屋外用LEDビジョンの選定から施工・アフターケアまで一貫してサポートしています。
特に防水・耐久性にこだわった製品ラインナップと、10年以上の施工実績で培ったノウハウを活かし、お客様に「安心」を提供します。
「うちの場所に本当に設置できるの?」「どんな製品が合うの?」といった疑問から、具体的なお見積りまで、お気軽にご相談ください。