デジタルサイネージは取得価額によって会計処理が異なり、一定額を超える場合は固定資産として計上し、減価償却を行う必要があります。
また、本体価格だけでなく、設置工事費や周辺機器の費用が取得価額に含まれるケースもあるため注意が必要です。
本記事では、デジタルサイネージやLEDビジョンの資産計上の考え方や勘定科目、取得価額ごとの会計処理の違いを解説します。
目次
デジタルサイネージは資産計上が必要?
デジタルサイネージやLEDビジョンを導入する際は、取得価額(本体代金や設置工事費などを含めた総額)に応じて会計処理の方法が変わります。
「広告宣伝のための設備だから経費にできる」と考えがちですが、一定金額以上の設備は固定資産として計上し、減価償却によって複数年にわたって費用化するのが原則となります。
そのため、導入前に資産計上の条件や勘定科目を把握しておくことが大切です。
10万円以上のサイネージは原則として固定資産になる
法人や個人事業主がデジタルサイネージを購入した場合、取得価額が10万円以上になると原則として固定資産として計上することになります。
固定資産として計上した場合は、購入した年度に全額を経費計上するのではなく、耐用年数に応じて減価償却を行わなければなりません。
なお、取得価額には本体価格だけでなく、導入に必要な設置工事費や運搬費などが含まれることもあります。そのため、本体価格だけで判断せず、見積書全体の金額を確認する必要があります。
勘定科目は「器具及び備品」が一般的
デジタルサイネージやLEDビジョンは、会計上「器具及び備品」の「看板及び広告器具」として処理するのが一般的です。
ただし、設置方法や設備の構成によっては、建物附属設備や構築物など別の区分に該当する場合もあります。
特に大型LEDビジョンや建物に固定して設置する設備は、一般的なモニター型サイネージとは扱いが異なることもあるため、判断に迷う場合は税理士へ確認しましょう。
耐用年数は設置形態によって異なる
デジタルサイネージの耐用年数は、製品の種類や設置方法によって異なります。
例えば、器具及び備品として処理する場合と、看板や建物附属設備として処理する場合では適用される耐用年数が変わります。
また、「税務上の耐用年数(法定耐用年数)」は減価償却を行うための基準であり、実際の使用可能年数とは必ずしも一致しません。
デジタルサイネージやLEDビジョンは、実際には5年以上使用されることも多いため、会計上の耐用年数と製品そのものの寿命は分けて考えましょう。
関連記事>>【優しく解説】LEDビジョンの減価償却と法定耐用年数は?
【金額別】デジタルサイネージの会計処理ルール
次に、金額別の会計処理についてみていきます。これからデジタルサイネージの資産計上を検討している方は、どの金額に該当するかをチェックしてみてください。
10万円未満は消耗品費として処理できる場合がある
取得価額が10万円未満のデジタルサイネージは、「消耗品費」などの項目で購入した年度に一括で経費計上できます。
例えば、小型のサイネージやタブレット型の機器などは、この基準に該当します。
ただし、取得価額には本体価格だけでなく、設置に必要な費用が含まれる場合もあるため、見積書全体の金額で判断してください。
10万円以上20万円未満は一括償却資産として処理できる
取得価額が10万円以上20万円未満のデジタルサイネージは、「一括償却資産」として処理できる場合があります。
一括償却資産を選択した場合は、耐用年数に関係なく、取得価額を3年間で均等に費用計上できます。
ただし、一括償却資産として処理するか、ほかの制度を利用するかは状況によって異なるので注意が必要です。
30万円以上は資産計上して減価償却する
取得価額が30万円以上のデジタルサイネージは、原則として固定資産に計上し、耐用年数に応じて減価償却を行います。
ただし、導入時には本体価格だけで判断せず、設置工事費や周辺機器を含めた取得価額を確認することが大切です。
見積書上では本体価格が30万円未満でも、関連費用を合算すると30万円を超える場合があるので気をつけましょう。
【特例】少額減価償却資産の特例制度を確認する
取得価額が一定額以下の設備については、中小企業向けの「少額減価償却資産の特例」を利用できる場合があります。
この特例を利用すると、本来は固定資産として減価償却を行う設備でも、購入した年度に一括で損金算入できる可能性があります。
ただし、こちらの制度は年度によって要件が見直されることもあるため、最新の適用条件については中小企業庁や国税庁の公表情報を確認しましょう。
※以前は30万円未満が基準となっていましたが、2026年度は物価高騰によって40万円未満に引き上げられました。
また、対象となる事業者や適用期限などの要件も定められているため、実際に利用する際は税理士もしくは各国税局へ相談すると安心です。
(参考)
まとめ
デジタルサイネージやLEDビジョンの資産計上は、本体価格だけでなく設置工事費や周辺機器を含めた取得価額によって判断されます。
また、勘定科目や耐用年数は設置方法によって異なるため、導入前に確認しておきましょう。
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